2026.10.08
「普段はそれほど高くないのに、冬になると血圧が上がる」
「健康診断では大丈夫だったのに、最近家で測ると高い」
このような方はいませんか?
血圧には季節による変動があり、一般に夏よりも冬のほうが高くなる傾向があります。
冬は脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患が増える季節でもあります。日本高血圧学会も、寒冷による血圧上昇と循環器疾患のリスクを踏まえ、季節に応じた血圧管理の重要性を示しています。
「冬だから仕方ない」と放置せず、まずは自宅で血圧を測ってみましょう。
なぜ冬になると血圧が上がるの?
寒い場所に出ると、私たちの身体は体温を逃がさないように血管を収縮させます。
血管が細くなると血液が流れる際の抵抗が大きくなるため、血圧が上がりやすくなります。
特に注意したいのが、
・朝起きた直後
・温かい部屋から寒い屋外へ出るとき
・寒い脱衣所で服を脱ぐとき
・冬場の入浴時
・トイレなど暖房のない場所へ移動するとき
など、急激な温度変化が生じる場面です。
日本高血圧学会も、冬季には寒冷刺激や室温低下などによって血圧が上昇しやすくなることを注意喚起しています。
冬の高血圧を放置すると何が怖い?
高血圧そのものには、自覚症状がほとんどありません。
しかし、高い圧力が血管にかかり続けることで、脳や心臓、腎臓などの血管に負担がかかります。
高血圧は、脳梗塞や脳出血などの脳卒中、心筋梗塞、心不全などの重要なリスク因子です。
日本高血圧学会も、高血圧は症状がないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎不全などにつながる可能性があることから、「家庭で血圧を測ること」を勧めています。
また、冬季には大動脈解離などの血管疾患にも注意が必要です。
大動脈解離は、大動脈の壁が裂けることで生じる緊急性の高い病気です。高血圧は重要なリスク因子の一つであり、急激な血圧上昇を避けることが大切です。
突然経験したことのないような激しい胸痛や背部痛が生じた場合には、通常の外来受診ではなく、速やかに救急要請をしてください。
「病院で測る血圧」だけではわからないことがあります
血圧は、一日の中でも変化しています。
診察室で測ったときには正常でも、自宅で測ると朝の血圧が高い「仮面高血圧」などが見つかることがあります。
そのため、高血圧の診療では家庭血圧がとても重要です。
特に冬になって、
「去年より血圧が高い気がする」
「朝だけ135~140mmHgを超えることが増えてきた」
「夏は正常だったのに冬になると高くなる」
という場合には、一度記録してみましょう。
日本高血圧学会の2025年ガイドラインでは、降圧治療を行う際の目標として、原則として診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満が示されています。ただし、実際の治療目標は年齢や病気、体調などによって個別に判断します。
冬の間だけ降圧薬を飲むことはある?
血圧が夏は低く、冬になると高くなる方では、季節によって降圧薬の種類や量を調整することがあります。
例えば、普段は生活習慣の改善と経過観察をしている方でも、冬季の家庭血圧が継続して高くなれば、医師が状態を確認したうえで冬季に薬物治療を検討する場合があります。
反対に、夏になって血圧が低くなれば、薬の減量を検討することもあります。
つまり、
「一度降圧薬を始めたら、一生まったく同じ薬・同じ量を飲まなければならない」とは限りません。
一方で、降圧薬を自己判断で冬だけ飲んだり、暖かくなったからと中止したりするのは危険です。
家庭血圧の記録をもとに、医師と相談しながら調整しましょう。
まずは家庭で血圧を測ってみましょう
血圧が気になる方には、まず朝と夜の家庭血圧を記録していただくことをおすすめしています。
当院では、血圧の経過を記録していただける血圧手帳をお渡ししています。
毎日の血圧を記録していただくことで、
「冬になってどれくらい上がったのか」
「朝だけ高いのか」
「薬を飲み始めてどの程度下がったのか」
といった変化がわかりやすくなります。
診察時には血圧手帳をお持ちください。
冬の血圧が気になったらご相談ください
冬は寒さによって血圧が上昇しやすい季節です。
「冬だから少しくらい高くても大丈夫」と考えず、家庭血圧が高い状態が続いている場合には、一度ご相談ください。
当院では、家庭血圧や生活習慣、年齢、その他の病気などを確認しながら、治療が必要かどうかを判断します。
必要に応じて降圧薬による治療も行っています。
また、当院では院内調剤に対応しているため、処方された降圧薬を院内ですぐにお受け取りいただけます。
「薬を飲むほどなのかわからない」
「冬だけ血圧が高くなる」
「家で測った血圧を一度見てほしい」
という段階でも構いません。
気になる方は、血圧の記録を持ってお気軽にけやき内科小児科 花小金井駅前へご相談ください。
参考文献

