2026.10.01
健康診断で、「LDLコレステロールが高い」「要受診」などと指摘され、受診を迷われている方も多いのではないでしょうか。
LDLコレステロールは、一般に「悪玉コレステロール」と呼ばれています。LDLコレステロールが高い状態が続くと、動脈硬化が進み、将来的な心筋梗塞や脳梗塞につながる可能性があります。
ただし、LDLコレステロールが140mg/dLを超えたからといって、すぐに薬が必要になるわけではありません。
治療の必要性は、LDLコレステロールの値だけでなく、その方が持つ動脈硬化のリスクを踏まえて判断します。
LDLコレステロールはいくつから高い?
日本動脈硬化学会では、LDLコレステロールについて次のように分類しています。
| LDLコレステロール | 診断 | 意味 |
|---|---|---|
| 120mg/dL未満 | 高LDLコレステロール血症には該当しない | 健診で目安にしたい範囲 |
| 120~139mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症 | 他のリスク因子も含めて評価 |
| 140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 | 生活習慣を見直し、受診を検討 |
LDLコレステロール140mg/dL以上は、脂質異常症の一つである「高LDLコレステロール血症」に該当します。ただし、これは薬を開始する基準ではありません。
LDLコレステロール140でも、すぐ薬が必要とは限りません
治療が必要かどうかは、LDLコレステロールだけでなく、
・年齢
・性別
・血圧
・喫煙の有無
・糖尿病、慢性腎臓病、末梢動脈疾患などの有無
などを総合的に評価して判断します。
つまり、同じLDLコレステロールが140㎎/dL以上の方でも、動脈硬化リスクが低い方と高い方では、治療方針が異なることがあります。
リスクに応じてLDLコレステロールの目標値は異なります
これまで心筋梗塞や狭心症などを起こしたことがない「一次予防」の方では、動脈硬化のリスクに応じてLDLコレステロールの管理目標が異なります。
・低リスク:160㎎/dL未満
・中リスク:140㎎/dL未満
・高リスク:120㎎/dL未満
この数値は、「ここを超えたら必ず薬を飲む」という基準ではなく、治療上の管理目標です。
一次予防では、まず食事や運動、禁煙などの生活習慣を見直し、そのうえで必要に応じて薬物治療を検討します。
薬が検討されるのはどんな場合?
たとえば、
・LDLコレステロールが高い状態が続いている
・生活習慣を改善しても十分に値が下がらない
・糖尿病や慢性腎臓病などがあり、動脈硬化リスクが高い
・心筋梗塞や狭心症などの既往がある
といった場合には、薬による治療が検討されます。
代表的な薬にはスタチンなどがありますが、薬が必要かどうかや目標値は一人ひとり異なります。
LDLコレステロールが180mg/dL以上なら一度ご相談ください
治療をしていない状態で、LDLコレステロールが180mg/dL以上の場合には、遺伝的にLDLコレステロールが高くなる家族性高コレステロール血症(FH)の可能性も考えます。
特に、
・家族にもLDLコレステロールが高い人がいる
・家族が若くして心筋梗塞や狭心症になった
・アキレス腱が厚いと言われたことがある
・・手の甲、肘、膝などに黄色っぽい盛り上がり(黄色腫)がある
といった場合には、受診時に医師へお伝えください。
生活習慣の改善も大切です
LDLコレステロールが高い場合は、まず生活習慣を見直します。
・脂質の多い肉やバターなど、飽和脂肪酸の多い食品を取りすぎない
・野菜、豆類、魚などをバランスよく取り入れる
・適度に運動する
・適正体重を維持する
・喫煙している場合は禁煙する
軽度の高LDLコレステロール血症では、生活習慣の改善を行いながら経過をみる場合もあります。
健康診断でLDLコレステロールが高いと言われた方へ
当院では、健康診断の結果を確認しながら、血圧、血糖値、腎機能、喫煙歴、持病などを踏まえて、生活習慣の改善や薬物治療の必要性についてご相談しています。
健康診断で「LDLコレステロールが高い」「高LDLコレステロール血症」「要受診」などと指摘された方は、健診結果をお持ちのうえ、お気軽にご相談ください。
参考
・日本動脈硬化学会(編)「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
・日本動脈硬化学会「家族性高コレステロール血症(FH)とは?」
・日本動脈硬化学会「成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン フォーカスアップデート2025」

